私がキューバを訪れた2008年10月はリーマンショック直後の大荒れ期。
当時、ネットが全く繋がらなかったキューバからメキシコに移動し、my yahooをみてみると

なんじゃこりゃーーー!!!(ユウサク・マツダ調で)
日経平均 9000円切ってる!!!
ドル円 100円切ってる!!!
原油 80ドル切ってる!!!
東京三菱UFJがJPモルガンの命運を握るって何???

キューバではネットはつながんないし、新聞はスペイン語だし、一応テレビは見てたけど、経済のことほとんどやらないし(ちなみにチャンネルは二つしかない)
帰ってきたらぶったまげてしまいました。。

そんな大混乱の世界経済とは、一線を画したキューバ経済の話。

キューバは社会主義国で、通貨は政府にコントロールされていることで有名です。
外国人旅行者が一般的に使う通貨はCUC(通称:兌換ペソ)
元々はUSドルが流通していたのですが、アメリカの経済封鎖によりドルの流通をやめて、1ドル=1CUCという「キューバドル」みたいな形でこのよく分からん通貨が導入されました。
で、いつの間にやらCUCも変動相場制になったみたいです。
ちなみに、現地の人はよくCUCのことを「ドル」と呼んでいます。

入国して、空港で両替をするのですが、ここで換えられるのがCUC。
大体、1CUC = 120円くらいです。(日本円、ユーロ、メキシコペソ、カナダドルなどがOK)
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USドルも両替できるのですが、10%の手数料がかかるので論外。
また、日本円やメキシコペソは、地方では両替できないので、これだけ持って行くのはちと危険です。

普段は現金を持ち歩かずにカード決済をしているため、両替のレートはあまり気にしないのですが、でかいホテル以外は絶望的にクレジットカードが使えないこの国では現金を持ち歩くしかありません。

で、普通の刊行をするならこのCUCで事足りるのですが、この国にはCuban Peso(CUP)というさらに謎の通貨があります。
これは、人民ペソと呼ばれる通貨です。

キューバには通貨が二つあり、外人用のCUC、キューバ人用のCUP。

仲良くなった宿のおやぢになんでこんな事になっているか聞いてみたところ、こういうことでした。

ついこの前まで、アメリカの経済封鎖でキューバにはものすごくモノがなかった。
特に工業製品が足りなく、全てのキューバ人が工業製品を買おうとすると値段が高騰してしまう。
そこで、CUCという通貨を作ってこれでしか工業製品を買えないようにした。
普通のキューバ人はCUPで給料をもらっているので工業製品は買えない。ただ、食料品などはCUPで買えるので、生活をすることはできたんだ。

最近は、中国からたくさんの工業製品が入ってきたので、CADECA(両替所)で、キューバ人でも自由にCUCとCUPを両替出来るようになったんで、お金さえあれば誰でも工業製品を得ることが出来るようになったんだけどね。

アメリカ(特に共和党)が提唱する「自由競争、市場原理主義」と真逆の、政府による物資、通貨のコントロール。
少ない物資をみんなで分け合おう(っていうか観光客と一部の外貨を得られる人以外には我慢してもらおう)という政策がこのような複雑な経済を作り上げているようです。

実際に町に出てみると、CUCで値段が付いているスーパーマーケットがたくさんあります。

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日本のマーケットから見ると明らかにがらんとしているうえに、同じ品物が大量に並んでいることが分かります。

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右側の果物コーナーには、リンゴしかないよ。。。

ジュースも、基本的にキューバコーラと、キューバスプライトと、キューバファンタオレンジの3種類。(あと、スタミナドリンク系が少々)
たまに、コカコーラも売ってますが高いです。

「これでも数年前と比べるとモノがずいぶん増えたんだよ」

電気専門店みたいなものはなく、スーパーマーケットにいろんなモノが並んでいます。
どこの店に行っても、食料品も、電気製品も、洋服も、おもちゃもちょっとずつあります。
電化製品コーナーに、テレビとオーディオと扇風機と冷蔵庫が。。

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家庭用品コーナーにはトイレとファンとベビーベッドが

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キューバに来る前は、生活に困るくらいモノがないことを予想していたのですが、なんか、一通りモノはそろってるじゃんという感じを受けました。

しかし、家電専門店の中に、オーディオビジュアルフロアがあり、その中の据え置き型オーディオコーナーそして、各メーカーのコーナーといった感じで、幾層にも細分化されている日本の家電量販店の1コーナーにも満たない品揃えを考えると、買い物の楽しみは少なそうです。

「オーディオテクニカのiPod用Bluetoothトランスミッターが欲しい」なんて思っても、絶対無理なことはもちろん、

「32型の白色の、使いやすいリモコンが付いたテレビが欲しい」なんて思っても、町中のスーパーをあちこちかけずり回らなくては見つけられません。

洋服なんかはこんな感じ。

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明らかにサイズの選択なんて出来そうもありません。

何かの罰ゲームで、「キューバのスーパーマーケットのモノだけで生活」ってのだったら、特に苦痛もなく何ヶ月でも過ごせそうですが、「こだわりのモノを集めて、独自の文化を築いて愉快に生活する」ことが大好きな私は、当分キューバで生活できそうもありません。

また、品物をひとつひとつ確認してみると、「Made in China」が圧倒的に多いです。
日本がアメリカ様の政策に逆らうことが出来ないのを尻目に、中国はガンガン商品を輸出し稼いでいるようです。

ジンバブエでもそうであったように、中国が貿易するところに資源有り。
キューバにはニッケルなんかがたくさん眠っているようです。

工業製品が足りないキューバと、資源が足りない日本。
貿易相手としてお互いにWin-Winの関係になれるはずなのですが、困ったモノです。

そして、この物資の貴重さはマーケットに入るときに袋を入り口に預けさせられたり、店を出るときにレシートを見せなきゃいけないところからも分かります。
万引きなんてされたら洒落にならへん。

なにせ、キャンディーが一個ずつばら売りで、ショーケースの中にディスプレイされて売られているくらいですから。。。
アメばら売り

ちなみに、普通の食事の値段は4-10CUC(300円から1100円くらい)、缶入りキューバコーラが0.5CUC(40-60円くらい)です。

そして、現地住民が食事をするCUPが使えるこんな屋台

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だと、ピザが5CUP(60円くらい)。コップに入ったジュースが1CUP(4円くらい)
人民ペソ(CUP)で生活していると、金がいつになっても減りません。
問題点は、「たいてい不味い」ことですが。

自由に両替できるとはいえ、平均月収が15CUC(1200円から1600円)くらいと言われるキューバ人にとって、電化製品なんかはかなり遠い存在のようです。

買い物をしていると、ちょっと哀しくなってくるキューバです。

back8_4  【国交正常化記念】タイムマシンにお願い 2008年キューバの風景

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