※本記事は、JCAST会社ウォッチ 海外就職という選択肢 からの転載です

私は、引き続き、カンボジアでサムライカレーというカレー屋をつくっておりますが、時々、カンボジアでなんでカレー屋をやっているんだろう?というアイデンティティクライシスに陥ることもあります。

と、いうのも、開店して2週間ですが、店舗に来てくれるのはほとんどが日本人と欧米人で、カンボジア人はまだまだ少ないです。カンボジアにはカンボジア人によるカレーがあり、これは日本のカレーライスとは大きく違います。

ココナッツミルクがたっぷり入ったクリーミーなカレーで、ライスと一緒に食べる場合もあるのですが、多くのカンボジア人は「パンとか麺と一緒に食べることが多いね」と言っています。

ご近所さんと、カレーエクスチェンジ


また、店舗の立地が、裕福層が多いところではなく、多くの人がいつも屋台でご飯を食べているような所であるため、きちんとソファがあるようなサムライカレーの店には入りにくいようです。

このような状況下で、なんでカレー屋をやっているんだろう?わざわざ、彼らにカレーライスを食べてもらう必要があるのか?ということを考えてしまうわけです。

しかし、最近ご近所さんとも仲良くなり、カレーエクスチェンジなることをやってみました。お向かいのお母さんが作ったカンボジアカレーと我々のサムライカレーの交換会です。その中で、お向かいさんは美味しそうにサムライカレーを食べてくれます。「私たちのカレーとは違うけど、美味しいわ」

日本には日本そばもうどんもありますが、日本人はラーメンが大好きです。

うどんがあるのに、なんでラーメンが必要なんだ?と言って、中国からラーメンが入ってくることを阻止していたら、今の豊かなラーメン文化はありませんでした。私は、うどんも日本そばも好きですが、ラーメンも、スパゲティも、フォーも大好きです。選択肢の多さが食文化の豊かさだと思っており、食文化が豊かな場所で生活する事に幸せを感じています。

サムライカレーの試食、2月16日、東京・巣鴨で


きっと、ここカンボジアにも、経済成長とともに、世界各国の様々な飲食店が出店し、多くのカンボジア人が多様な選択肢を持つことができるようになると思います。それが、彼らの幸せになるということを信じ、その一翼を担うためにカレー屋を営業する。これが我々のミッションだと思うのです。

ただし、カレーライスを作って、これを食べてくださいと待っているだけではなかなか進みません。そこで考えたのがサムライカレーパン。現地の人達が大好きなフランスパンにカレーを挟んで、現地人が買えるようなリーズナブルな価格で販売するのです。

これは、多くのカンボジア人に非常に好評を得ており、ほんのちょっと現地の人の選択肢を増やしています。これからも、手探りで現地の人のニーズを探りながら、現地の人が喜ぶような物を提供していこうと思います。

現地在住の日本人の方に喜んでもらうのはもちろん嬉しいのですが、カンボジアの人達に受け入れてもらえたときの喜びは、また格別なものがあるので。