産経新聞が、2021年3月11日に「就活で嘘をつく」ことを肯定する記事を掲載していました。


これは「内定塾」講師 齋藤弘透という方が書いた記事なのですが、

就職活動がうまくいくなら正解ということになりますので、学生には嘘をつくことは問題ないとアドバイスしています。

と、言っています。
しかし、私の見解では「問題あり」です。
理由は2つ。「嘘はばれる」と「嘘をついて得した成功体験を積んでしまう」です。

そして、 産経新聞は、嘘の経歴の学生を入社させるのでしょうか?
入社試験で嘘の経歴を言った人が、新聞に記事を書くことを肯定するのでしょうか?


就活の嘘はばれる

まず、嘘はそれなりの確率で見抜かれます。
例えば、面接で
みたいなことを言うと、面接官はこれに関して詳しく聞いてきます。

「どのサイトをつかったの?」
「どれくらいの金額集めたの?」
くらいなら、嘘でも普通に回答できます。

ただ
「集めたお金が入金されるのにどれくらいかかった?」
「そのお金をどのように使って、どうやってカンボジアに届けた?」
「販売した商品、食品衛生法とかは大丈夫だった?」
みたいな形で、どんどん詳細を聞かれると、嘘だった場合、実際にやってなかったことはばれてしまいます。
 詳細まで詰めていけば、かなりの高確率で嘘はばれるのです。


嘘をついて内定を取ったという成功体験

就活であれば、嘘がばれたところで、ただ選考から外されるだけなので大きな問題になりません。
しかし、嘘がばれずに内定を取ってしまったとき、「嘘を言って内定をとった」という成功体験を得てしまい、仕事のなかでも嘘を言って成功するという行動を取ってしまう可能性があります。

例えば、お客さんに自社の商品を売るときに、商品の機能にないことを「できます」といって売ってしまったら、場合によっては訴訟問題になります。

嘘がばれても大きな損害がない就活での成功体験を、リアルなビジネスで持ち込んでしまうというリスクを、まだそのリスクを理解していない学生にするのは非常に危険です。


この話を、新聞に載せるというリスク

この就活塾の人は、まあ、どうでもいいです。
しかし、この記事を新聞社が載せるというのは大丈夫なのかと思ってしまいます。

産経新聞は、嘘の経歴の学生を入社させるのでしょうか?
入社試験で嘘の経歴を言った人が、新聞に記事を掲載することを肯定するのでしょうか?

全てにおいて、嘘はいけないなどという潔癖症的な話をしているわけではありません。
話をわかりやすくするために時系列を入れ替えたり、因果関係を組み替えたりするのは悪くないと思います。

しかし、【プロが指南 就活の極意】というタイトルで、

就職活動では、「自分を売り込むこと」が重要になってきます。素直に正直に伝えて売り込めているなら良いのですが、そうでないなら売り込むために工夫する必要があります。その工夫の結果が嘘になってしまうなら、嘘をついてアピールすべきです。

と言い切ってしまうのは、よくないです。

この記事には

嘘をつくことはリスクが大きいことを自覚することです。一つの嘘によって他の質問で答えたエピソードと矛盾が生じることがあります。それでは売り込むことはできません。もし、嘘をつくなら、嘘をついても一貫して矛盾がないように準備をする必要があるのです。
とあります。

産経新聞は、自社の記事に、一貫して矛盾がないように嘘を書き続けるのでしょうか?
一貫して矛盾がなければ、嘘を書き続けてもよいと考えているのでしょうか?

就活で話すべきことは、「自分がどのように相手の会社に役に立つかの説明」です。
やるべきことは「矛盾のない嘘を作る」ではなく「自分で行動して、体験談を作る」ことです。