私は、電子書籍を連続出版するのと同時に、紙の書籍も書いています。
既に2冊書き、今年中にあと3冊出版する予定です。(次は4月に出ます)

それ故に、編集者はじめ、校正・校閲、営業などの力はよくわかっています。それを踏まえても出版社しか担えなかった役目が、電子書籍個人出版ができるようになった事により他の人に移っているなと感じます。

今日は、このポイントについてお話しします。
コミック 銭 1巻 (Beam comix)

本を販売するに当たって、出版社が担っている役目は3つです。

1.コンテンツを、顧客がお金を払ってくれるモノに変える
2.モノの品質を上げる
3.モノを大量に販売する

ひとつずつ解説します。

1.コンテンツを、顧客がお金を払ってくれるモノに変える
これは、主に紙や電子の本の発行です。
著者が作った、文章なり、写真なり、漫画なりを、顧客がお金を払って買ってくれる形、すなわち本に変えることです。
電子書籍個人出版の前は、個人が顧客にお金をもらって文章や写真、絵を売ることは非常に困難でした。(ある程度の量をさばけるのは同人誌をコミケで売るくらいだったと思います。あと、有料メルマガ)
これが出来ることが、出版社の特権的な存在意義であり、個人にその道を解放する「自費出版」は非常に希少価値があり、百万円以上の対価をとることも可能であるものでした。
この出版社だけしか出来なかった特権を無料で全ての人に開放してしまったのが電子書籍個人出版だと言えます。

2.モノの品質を上げる
とはいえ、素人が書いた文章や漫画のほとんどは、普通、読めたもんじゃありません。短文であればともかく、100ページ以上にわたるモノを最後まで読ませるのは高い文章力が必要となります。
そのために、出版社には編集者がおり、誤字脱字・事実関係のチェックなどを行う校正・校閲の人がおり、読みやすいように体裁を整えるデザイナーがいます。
彼らのチェック、修正、デザインにより、コンテンツは「お金を払って買ってもいいモノ」になります。
まあ、全ての出版物がそうなわけでもないですが、良品である確率は格段に高くなりますし、顧客も「出版社が出したモノだから、最低限のラインはクリアしてるだろう」という信頼の元に購入を検討してくれます。

3.モノを大量に販売する
そして、作ったモノをたくさん販売してくれます。全国の書店に本を届け、場合によっては広告を打ち、書店にたくさん並べ、たくさんの人にその本の魅力を伝えてくれます。
なんのデバイスも必要とせず、誰でもすぐに読むことが出来る紙の本の販売力は強く、今のところ電子書籍の売り上げなんて、紙に比べたら微々たるモノです。

この3つを考えると、現状の電子書籍個人出版は、「1.読者がお金を払って買ってくれるモノを作る」ことは出来るけど、「2.モノの品質を上げる」「3.モノを大量に販売する」仕組はまだ足りないと考えることが出来ます。

本を出す人の側からみると、
自分で文章の品質を上げて、自分で宣伝することで大量に販売することが出来る人にとっては出版社は不要であるということになります。

同時に、
文章の品質を上げる力量に乏しく、書店に並べたり広告を打ったりする力がなく販売量を伸ばせない出版社は無用の長物であるということになります。

今はまだ、販売力において紙の本と電子書籍は雲泥の差があるため、出版社が不要である著者はほとんどいないと思います。しかし、販売力のない出版社は淘汰されていくでしょう。

そんな出版社の人が持っている技術は、2.モノの品質を上げる 技術です。
電子書籍出版の外野では、この技術を使ったサービスが次々と生まれてくると思います。
blog形式でデータを入力するだけで綺麗な電子書籍が出来るサービスとか、文章をアップすると有料で校正をしてくれるサービスとか。

ただ、今の一番のネックはそういう有料のサービスを作ったところで、販売力が足りず、作者が利益を得られないことです。
私の本が2ヶ月で3500冊売れたところで、利益は17万円程度。ここから編集者なり校正者にお金を払ったとするとあっという間に利益が吹っ飛んでしまいます。

電子書籍個人出版がブレイクスルーするために大切なことは、結局の所「3.モノを大量に販売する」仕組みだということがわかります。そして、今、この仕組みをもっているのは出版社と一部の(主にネット上の)有名人だけです。

従って、電子書籍周りのビジネスでお金を稼ぎたい人は、「1.コンテンツを、顧客がお金を払ってくれるモノに変える」ことに高い価値を感じている人に安価でサービスを提供するか、「3.モノを大量に販売する」方法とセットにして高い料金を取るか、どっちかにしないと難しいだろうなあ…と思うわけです。

電子書籍は、まだまだ黎明期。しかし、たくさん売れてお金が流入してくるようになったら様々なビジネスが生まれるであろう大変魅力的なモノです。
たぶん出版社的には、紙の出版の売れ行きをマイナスにする電子書籍の販売に前向きじゃない所も多いと思うのですが、自身が持っている「2.モノの品質を上げる」技術で収益を上げると考えると、むしろじゃんじゃん電子書籍に投資したほうがいいんじゃないかと、自分勝手なことも思ってしまいます。
どーせ、紙の出版に関しては、市場は下りエレベーターだし。

そして、個人とか小さな組織は、流入が少なく、大手の参入が少ない今だからこそ出来ることもたくさんあると思うので、大手が入ってくる前にいろんな仕組みを作っておくと、お金が流入してきた時にいい目にあえるかもしれませんね。

流入してくるかは不透明ですが。





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