香港では多くの日本人人材の募集が行われていますが、特に多いのが製造業、物流・貿易業、金融業界になります。それ以外では、IT業界や日系のレストラン・小売りなどの店長候補やバイヤーの仕事や業種を問わず、購買やマーケティング、総務、会計担当、営業事務や帳票作成などを行うアシスタント業務やもあります。

 製造業の仕事で一番多いのが、製品の営業。日系企業相手に自社の製品をセールスする営業です。また、金融でも金融商品などの営業が多いです。もちろん、生産管理や製造の技術者の求職も多数あります。
 日本人を募集しているのは9割方が日系企業で、香港企業や日本以外の外資企業は少数です。
 香港で必要とされている人材は、「スペシャリティがあり即戦力になる人」です。
 安くて英語が喋れて広東語も喋れて、場合によっては日本語も喋れる香港人がいるので、日本人にしか出来ない専門的な仕事ができないと厳しいのです。

 そのため、実務経験3年以上ある人材が求められており、新卒からいきなり香港で就職するのは非常に難しいです。
 現実問題、キャリアがないとビザも下りにくいのですが、これは企業のパワーによってなんとでもなるので、まずは企業に採用されることが大切です。

 語学に関しては多くの会社で英語を中心に行われます。日系企業で自社の日本人や日系企業の担当者の日本人と話をするときは日本語ですが、自社の香港人スタッフなどと話をする場合は英語です。日本以外の外資系企業ではもちろん英語の場合が多く、香港企業で働く場合は英語+広東語になります。
 中国相手の商売が多い会社では、北京語が必要な場合もあります。

 そして、何度か言われたことが「日本人として、きちんとした日本語が話せる必要がある」と言うことです。日系企業でも、香港企業でも、外資系企業でも、一番求められていることは日本人ときちんと仕事の話をまとめ、実行することですので、このコミュニケーション能力が少ない人は採用される可能性は低いです。

 そんな感じでなかなかハードルの高い採用状況なのですが、給料はこんなもんです。

■営業や事務(アシスタント)の仕事
 月給15000香港ドルから25000香港ドル(15万円から25万円)
■キャリアを積んだサブマネージャクラスや技術者
 20000香港ドルから35000香港ドル(20万円から35万円)

 一般的に、ダブルペイといって12月に1ヶ月分の給料が追加で払われ、さらに業績に応じて給料が支払われるため、年収は「月収×13ヶ月+α」ということになります。

 もちろん、希少な技術を持っており、それが企業が求めるのとぴったり合っていればもっと上の給料が提示されます。

 また、上記の給料は税引き前ですが、税金は日本みたく源泉徴収ではありません。
 年一回の徴収で、税率は日本よりも低いため、ダブルペイで税金を払っても大きくおつりがくることがほとんどのようです。
 あと、保険や年金がどうなっているかは会社次第。まあ、大体医療費はほぼ保険から出るレベルの保険はかけて貰えるみたいです。

 残業代は出ない会社が多いですが、そもそも残業がない会社も多くあります。少なくとも香港人は定時で帰ってしまう人が多く、日本人も一緒に帰るか、そのフォローを日本人がやるかは会社次第。この辺は確認が必要です。

 前回紹介したとおり、ワンルームマンションに6-9万払わなくてはならない現実から考えるとちょっと安いかな。。と思える水準です。

 ただ、給与は会社によって違いますが上昇することはあるようです。
 また、香港では、今の仕事でキャリアを積んで新しい仕事に転職することで給料を増やしていくというのが一般的なため、現地採用の最初の給料は低いことが多く、現地でヘッドハンティングされることで給料を増やしていくことが多いそうです。

 実際、日本人も香港人も職務や役職によって給料は飛躍的に伸びる可能性があるので、そこはあなたの実力(と運)次第。ということになります。

 事実、日本で派遣社員をやっていた人が、香港で提示された給料が日本よりも高く、さらに数年間働いて日本にいたときの倍になったというような事例もあります。

 身も蓋もない結論ですが、全ては実力次第。
 そして、自分で主張し、行動に移した人の方が、良い職場を手に入れられるのです。
 日本でも同じことが言えるのですが、香港の方がしがらみなく、すぱっと移動できて気持ちよさそうな気がしました。