フィリピンに行って感じるのが、とにかく韓国人がたくさんいるということ。
 数百校の韓国人経営の英語学校がフィリピン国内にあると言われているので、当然と言えば当然なのですが、このことに関してフィリピン人はどう思っているのか?
 
 色んなフィリピン人の講師に聞いてみたのですが、このマニラの学校の男性講師が本件について異常に乗ってきたので、彼との話を中心にフィリピンと韓国の関係についてまとめてみます。
 当然、複数人のフィリピン人の話を総合していますが、「フィリピン英語教師」という偏ったサンプルから聞いた話なので、コレがフィリピン人の総意なわけではないですよ。
 
 まず、講師と生徒という関係の中でのフィリピン人と韓国人。
 フィリピン人講師からみて、韓国人生徒の評判は、総じて悪いです。。
 
 私が日本人だからとは思いますが、韓国人生徒に対する愚痴は至る所で耳にします。
「ちょっとでも英語に関して答えられないことがあると、徹底的に過剰に文句を言ってくる」
「金を払ってるんだから従え、という態度が時たまにじみ出てくる」
「生徒の小学生のガキが「フィリピンは韓国よりも凄く貧しいって知ってる?」みたいなことを言ってくる」

 韓国人は日本人と比べて、ダイレクトにモノを言ってくる傾向があります。それ故に、こういう失礼な言動、態度が、若くて未熟な韓国人から出てくることが多数あるようです。
 講師が言うには、日本人からこういうことを聞くことはほとんどないということ。まあ、日本人の生徒数が圧倒的に少ないし、今、フィリピンくんだりまでいく日本人は外国人に対して気遣いが出来る成熟した人が多いからという理由が大きいと思いますが。
 
 では、街ゆく韓国人をどう思うかというと
「やっぱり、韓国人が多すぎることには不安を覚える。特に、バギオとかのフィリピン人のあこがれの場所が、あまりにも韓国人だらけになってしまうのは、感情的に辛い。彼らがフィリピンに沢山のお金を落としてくれ、経済に貢献してくれていることは分かっているけど、それでも、感情的に辛いんだ。」

 この気持ちはよく分かります。
 フランス人がシャンゼリゼ通りを日本人(今は中国人)に占領されたり、日本人が銀座を中国人に占領されたりしてるのを見て感じる感情と同じでしょう。
 良い感情なのか悪い感情なのか(そもそも感情に良いも悪いもないのか)分かりませんが、凄くよく分かる微妙なモノです。
 
 じゃあ、フィリピン人の多くが韓国に対して微妙な(どちらかといえば負の)感情を持っているのかと言えばそうでもありません。
 
「フィリピン人は、"Crazy about Korea"なんだよ。」

 韓国人の大学生が「韓国人は"Crazy about English"なんだよ」って言ってたのを思い出す発言です。
 
「マニラの街をみてみなよ。若い男も女も、みんな韓国人スターみたいな髪型してるだろ」

 どんな髪型が韓国人スターっぽいのかもりぞおさんにはさっぱり分からないのですが、フィリピン人の若者の多くは美容院に行ってチャングンソクやKARAのような髪型にしてくださいって言うらしいのです。
 
「みんな韓国ドラマが大好きだし、K-Popもよく聞いている。Crazyなくらいに」
「日本はどうなの?」
「J-Popはそれなりに。日本のドラマはあまり知らないな。。あとは、アニメ。スラムダンクとか。ショッピングモールでは毎週どっかでコスプレイベントしてるよ」

 10年前はアニメで席巻していたものが、韓国ドラマに押されて、マニアックな方向だけで生き残っているという状況がよくわかりますね。。
 
「そんな風に特に若い人は韓国の文化が大好きなんだ。だから、韓国語を勉強しようとする人も沢山いるよ。」
「それは、自分で選択して勉強するの?」
「フィリピン政府と韓国政府が協力して、韓国語教育のクラスを作っているらしいよ。」
 こういうところで、きっちりと仕事をする政府はたいしたものだと思います。
 
「そんな政府のクラスを卒業したあと、それぞれの技能を生かして韓国に働きに行くというプログラムもあるらしいからね。フィリピン人には外国に行って働きたいと思っている人が多いからね。そうやって韓国に行こうとチャレンジする人は沢山いるんだ」

 どうやら、韓国政府は自国の文化によって増やしたフィリピン人のファンをきちんと教育して、自国に連れてくるという方策を作っているようです。その規模がどれくらいなのか調べてはいないのですが「移民を受け入れないといけない国」として、自国に対し好意的な印象を持っている上に、きちんとした語学力と技術力を持った人を受け入れるというのはとても効率的かつ有効な手段です。
 
「フィリピン政府と韓国政府はうまいことやっていると思うよ。そのおかげで僕らはこういう職に就けているし、大量の学生ビザ代で税収も増えている。それでも、感情的に受け入れられないこともあるんだけど。。」

「日本についてはどうなの?」
「あなたが日本人だから言うわけじゃないけど、日本に行きたいと思っている人は一番多いと思うよ。僕らは日本にあこがれがあるんだ。多分、フィリピン人が行きたいと思っている国は、日本とカナダとオーストラリアが一番多いはず。
 でもね、あなたが知っているように、フィリピン人が日本に行けるチャンスは凄く少ないんだ。ダンサーくらいしかビザがおりないからね。それが残念でならない。」
 
 動きの遅い日本政府、移民受け入れに超否定的な国民感情から言って5年後も日本が積極的にフィリピン人を受け入れるようにはなっていないでしょう。
 でも、民間はしっかり動いていて、きっと5年以内に大量の日本人が英語留学のために続々とフィリピンを訪れることになるでしょう。
 
 就職活動のためにいやいややってくる大学生とか、親に言われて何も分からずやってくる中高生も含めて。
 そんな中でも、フィリピン人が日本人に対してそこはかとなく抱いているあこがれのようなものは維持できるのでしょうか。その頃も、出稼ぎに行きたい国の一つでいられるのでしょうか?
 
 私は、日本はいずれ移民を受け入れ、農作物を大量に輸入しなくてはいけないことになると思います。
 その時に、若くてホスピタリティのある人材と、安価で大量の農作物を持つフィリピンとは非常によいパートナーとなると思うのです。
 
 そして、何度も言うように、韓国は良くも悪くも日本の10年先を行っている国です。
 来るべき時に、フィリピン人は日本人に対してどんな感情を抱くのだろう。彼らと上手くやっていくことは出来るんだろうか?彼らの受け入れる側として、求められるのはどんな能力なんだろう?
 
 現状のフィリピン人と韓国人の微妙な関係を見ながら、そんなことを考えてしまうわけです。