三宅洋平のコミュニケーション力はスゴイと素直に思った

2016年07月09日(土)


三宅洋平という人の選挙フェスの映像を見た。
この人のコミュニケーション力は、スゴイと思った。

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私は、こうやって文章を書いたり、宣伝をして研修プログラムの集客をしたり、参加してくれた若者たちといっしょにカンボジアでカレー屋作ったりと、老若男女・日本人・外国人と常に多くの人とコミュニケーションをすることを生業にしています。

コミュニケーションというのは非常に難しく、いくら長く文章を書いても、どんなに詳細に説明をしても、なかなか相手には届きません。相手が文章を読んでくれないからです。

そんななか、自分の思っていることを、バイブスに乗せて、ストレートに人の心にぶち込んでいるこの演説は新鮮なものにうつります。

普段文章を読まない人に対し、
「この人は、信念がある」
「この人は、信頼できる」
「この人なら、自分たちの生活を変えてくれるかもしれない」
と思わせるパワー。
どうすれば、自分の思いが伝わるんだろうとちまちま文章を書いている者としては、あこがれに近い感情すら芽生えてしまいます。

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しかし、彼が言っていることは事実誤認であるものが多数です。

例えば、都議会議員のおときたさんが言っているように、彼が言っている「こんなに人が集まってるのに報道されないのは、政府とテレビ局の陰謀だ!」というのは、単に他の選挙演説でもこれと同等もしくはそれ以上の数の人が集まっているからです。

過去には、「地震兵器ハープを疑っている。民主党の代表選の日も、音のしない雷が鳴っていた」とか「香料まみれのケミカルシャンプーを使い続けたお母さんの胎盤からシャンプーの匂いがする、という有名な話は少なからぬ助産婦さんたちが口にするところである」みたいなことまで言っています。

コミュニケーション力が高いことと、言っていることが正しいかは別物です。
しかし、正しいことでも、相手に届かなければ存在しないのといっしょ。
間違ったことでも、相手に届いて、本当だと思わせてしまえば、それは真実になる。

私が住んでいるカンボジアでは、数十年前、ベトナム戦争の影響で疲弊した農民に対して、「農業従事者が最も尊いのです。国民はすべて農業従事者に立ち返るべきなのです」と訴えた男が現れました。

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彼は、政権を取ると、都市に住んでいる人を強制的に農村に移住させ、知識人と言われる人を全員虐殺しました。学者や先生はもちろん、外国語が話せる、本を読んでいる、挙げ句の果てには眼鏡をかけているという理由だけで投獄され、殺されたと言われています。

結局、人口800万人のカンボジアで200-300万人(正確な数はわからない)の人が虐殺されました。つまり、人口の1/4以上が殺されるという、人類史上まれに見る悲劇となったのです。

2016年現在、首都・プノンペン市内は地雷はまったくなく、市内中心部のイオンモールの中にスターバックスがあるような大都会になりました。しかし、いまだに教師は不足しており、当時の負の遺産を引きずっています。

自分たちを認めてくれる、人当たりの良い、魅力的な指導者。
彼が本当に自分たちの国のために良いことをしてくれるかはわかりません。
それを見抜くためには、その人が言っていることが本当なのかをきちんと調べ、彼のビジョンの先に何が待っているかを現実的に想像しなくてはならないのです。

2010年頃までは、インターネットの空間は文字情報が中心で、文章を書ける人が、文章を読める人に情報を発信していました。それ故に、インターネットの拡散力は、文章を書ける人つまり、論理的に物事を考えられる人の特権でした。

しかし、その後ネット回線の高速化、インフラの進歩により、写真、動画の配信が自由になり、画や音で伝えることができる人にも、インターネットの拡散力の門戸が開放されています。
直感的にものを判断することが多く、論理的に検証することになれてない人に、膨大な量の有象無象情報が伝わるようになったのです。

この文章は2000字程度の、さほど長くもない文章です。
しかし、これを最後まで読んでくれる人がどれだけいるのでしょうか?

動画、ライブによって、きっとこの文章を最後まで読めないような人にまで、インスピレーションを残せる、彼のスキルは素晴らしいものです。
しかし、同時に、その人たちに「キチンと考えよう」と伝える方法をみつけだすこと。これが、新たなる課題なのだと思います。


著者近景

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Author:もりぞお / 森山たつを

海外就職研究家 兼
電子書籍個人出版研究家


人がやらないマニアックな領域を、日々自身が実験台になって研究しています。
詳しいプロフィールは"About もりぞお"をご覧ください。
取材、記事執筆、人生相談、なんでもうけたまわります。

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