ザ・ファイター 自分の家族が最低だと判明したとき 他の選択肢が出来たとき 決断することの大切さ

2016年06月11日(土)


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この映画は、ボクシングのファイターの話でありながら、内容は「家族」の話。
それも、暖かい「家族」サイコーな話ではなく、「家族」ってなにかを考えさせられる話です。

アメリカの田舎。
失業率バリバリで、産業がなく、犯罪とドラッグだけが蔓延しているという最低の街。
この街の唯一の誇りが、数年前に超有名なチャンピオンを、ダウンさせた(試合は負けた)男。
彼は、既にヤク中でボロボロなのですが、唯一の誇りに対して、街の人たちは非常に優しい。

彼が行っている唯一の建設的なことが、弟のトレーナー。
戦績はボロボロでも、才能はある弟。
もしかしたら、この街の誇りになるかもしれない弟。

 彼の戦績の悪さの原因は「家族」です。

トレーナーの兄は、試合直前の超重要な時期にも、ラリっていて、練習に来ない。
マネージャーの母は、金のために9kgも体重が上の相手との試合を受ける。(ボクシングの軽量級は1階級2-3kgです。9kg差は自殺行為)

そんな彼が、気の強い彼女と出会い、「家族」から離れることで、潜在能力を発揮していく話です。

誇りは高く、それでいて何も出来ていない兄。
唯一の稼ぎ手である弟に寄生している、母と姉妹たち。

外部者から観れば、主人公にとって「家族」とは阻害要因に他なりません。
もっというと、彼が住む街そのものが阻害要因。

多くの映画や物語で一番美しいものとして描かれる「家族」と「故郷」が、彼の才能を潰しているわけです。

私は、震災のあと、blogでこんな記事を読みました。

地震と原発による結婚の破談
福島県出身の女性が、8年つきあった男性と結婚するというときに震災が発生。
しかし、その男性の母親が言った
「放射能の影響で元気な子供が生まれなかったらどうするの?」
という言葉から、結婚を断念したという話です。

この言葉には様々な要因が含まれています。

相手の立場、状況を思いやることのない無神経さ。
科学的知識に関する造形の浅さ
風評および思いつきに対する耐性のなさ

きっと彼女は「優しさのない頭の悪い人」に対し、一生義理の親子としてつきあっていくことが許せなかったのだと思います。
子供は親は選べないけど、義理の親は選べます。
彼女の判断は正しいものだと心から思います。

ただ、この女性の婚約相手の男性はどうだったのでしょうか?この発言を聞いてもまだ、親子としてつきあって行かなくてはならない腐れ縁。血のつながりってそんなに大切なものなのか?

少なくとも、私がこの様な状況に陥ったら、迷うことなく母親よりも彼女を選ぶと思います。(幸いなことにうちの両親はこんな人間ではないですが)

この、「ザ・ファイター」という映画の中でも、主人公はこの様な選択を迫られることになります。
家族のサポートをとるか、新しいチームをとるか。
そこでの彼の決断が、未来を切り拓くわけです。

この映画の言いたいことは、「家族は最高」とか「腐れ縁を断ち切って実力で選べ」とかいうものではないと思います。
何より大切なのは、「自分で考えて、自分にとって最高な道を選択しろ。誰がなんと言っても」ということ。

自分の8年間の生活を投げ捨ててでも、その後の長い人生をわかり合えない人と生活することを拒むという選択をした彼女はとても立派です。
男性の方も、8年間の生活を投げ捨ててでも、母親を守るという選択をしたのなら立派だと思います。

自分で考えて、自分で選択して、自分で行動する。

何度も言われ続けている言葉でありながら、「なにかを選択して」の裏側に「なにかを切り捨てて」という言葉が含まれていることを思えば、簡単に出来ることではないということが、この映画やblogのエピソードを観るとよく分かります。

それでも、選んで、進まねばならない。
曖昧に、何も捨てずに、何も決めずに生きていくのは最悪だ。

そして、過ぎていく日々を、踏みしめて僕らは行くのだ

「家族」というのは、切り捨てるのにはあまりにも大きな存在であるわけですが、それ故に、この映画から感じるものは非常に大きく、観た後に深く考えさせられるわけです。

そして、タイトルの「ザ・ファイター」、ボクシングという競技を戦ったわけではなく、自分の中での葛藤に勝った男に送られた称号なのです。

 


著者近景

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Author:もりぞお / 森山たつを

海外就職研究家 兼
電子書籍個人出版研究家


人がやらないマニアックな領域を、日々自身が実験台になって研究しています。
詳しいプロフィールは"About もりぞお"をご覧ください。
取材、記事執筆、人生相談、なんでもうけたまわります。

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