再販制度をぶっちぎるAmazon様の紙の本値引き!割引された作者の見解はコレです

2015年06月27日(土)


Amazon様がついに、掟破りの紙の本の値引きを始めました!

スクリーンショット 2015-06-27 20.42.08

特定出版社の、発売後日にちが経った、ごく一部の紙の本を、期間限定で定価の20%offで発売をしたのです。

私が2012年に出した「アジア転職読本」もその中に選ばれており、2015年7月末まで、定価の20%offで販売されています。

紙の本には「再販制度」というものがあり、定価でしか売れませんでした。ゲームソフトのように売れ残りをワゴンセールで叩き売りみたいなこともできず、売れ残りの本は本屋の棚にひっそりと陳列されるか、出版社に返本されるかです。

この「再販制度」にメスを入れる小さいけれど大きな一歩である「夏の読書推進 お買い得キャンペーン」
そのキャンペーンに選ばれた著者にはどんな連絡があったのでしょうか?

実は、このキャンペーンが始まる1-2週間前、私の所に出版社からメールがありました。
「Amazonが紙の本の割引キャンペーンをはじめるそうです。
ちょっと古い本をピックアップして2割引で販売したいとのことですが、「アジア転職読本」もその中に入れていいですか?」(いろいろ意訳)

私がこれを聞いたとき、このニュースを始めて読んだ皆さんと同じ感想を持ちました。「Amazon様、ついに、再販制度に切り込むか…」

本を割引するべきではない理由はたくさんあって、いろんな人がいろいろ言っています。ただ、零細個人営業著者の私的には、割引は全然OKです。
そもそも、この本を発売するとき「価格1000円とかになりませんかねえ」と相談した位なので。

2012年現在、(今でもマイナーな)海外就職は、それはそれはマニアックなものでした。この本を即座に必要とする人の数は少なく、まさにこれから市場を創っていく必要がある分野です。
それ故に、爆発的ヒットはもちろん、そこそこの数が売れる可能性も高くなかったため、定価をちょっと高めにして、確実に利益を出さなくてはならないのが出版社の見解。安くてもいいから、たくさんの人に読んでもらって市場を創りたいのが著者の見解。こういう意見の相違はどこにでもありそうです。

それでも、できるだけ安めに単価を設定してくれて(はじめは2000円以上という案もあったのですが)約1800円とほどほどにお手頃な価格に落ち着き、それなりに評価をいただき、それなりに売れました。

その後、電子書籍が始まり、本書も電子書籍化が行われ、ちょこっと安い価格で販売。さらに、ときどきAmazon様のセールの対象になり、電子書籍だけは2割引とか4割引とかで売られることもあったわけです。

こんな状況で、いまさら紙の本だからといって割引を断る理由はありません。そもそも、紙の本だって、売れてる本なら3年もすれば廉価版の文庫本として割引販売されますからね。
著者的には、値段が安くなり、一人でも多くの人に購入して読んでいただく方が嬉しいのです。

印税が主な収入となっている方にとっては、本の値引きはかなり痛いものかもしれません。また、値引きされて販売された本が多くなってしまったら、マニアックで高い定価で売っている本がますます売れなくなるかもしれません。そもそも、そんな本が発刊されなくなる可能性も。

でも、どうせ、本のライバルは本だけではなく、TVも新聞も、プレステもスマホゲームも、YoutubeもFacebookもWebページも、人々の暇つぶしや知的好奇心を満たすためのコンテンツはすべてライバルなんです。
そんな中で、本に興味を持ってもらうためには、ある程度値段を安くする必要が出てくると思うのです。

ちなみに、この値引きセールで著者への印税がどうなるかは、ここでは言ってはいけないことかもしれないので黙っておきますが、私にとって損する契約ではありませんでした。

「本件については、限られた出版社とAmazonだけで進められているので、発表があるまでは絶対に口外しないで下さい」と釘を刺されたくらい、出版業界の一部にとっては地味にエポックメイキングな事件です。

このまま、黒船により規制は撤廃されていくのか?撤廃されたら出版業界は、取次は、本屋はどうなっていくのか?私にはさっぱりわかりませんが、私個人としては、他の著書も含めて、じゃんじゃん割引しちゃってOKです。

私にとっては、優先順位は印税より、たくさんの方に読んでもらう方が上なので。

ちなみに、Amazonの電子書籍は、今(2015/6/27)も大規模な割引セールをやってて数万冊が20%ポイントバックキャンペーンをやっています。
この辺の本が、私の最近のおすすめなので、みなさん、ぜひどうぞ。


著者近景

ssG5pYR6pItG751Mq1462861578_1462861658

Author:もりぞお / 森山たつを

海外就職研究家 兼
電子書籍個人出版研究家


人がやらないマニアックな領域を、日々自身が実験台になって研究しています。
詳しいプロフィールは"About もりぞお"をご覧ください。
取材、記事執筆、人生相談、なんでもうけたまわります。

ad