Amazonで本を売るなら、価格は99円か250円の二択である、ふたつの理由

2013年02月24日(日)


Amazon Kindle Direct Publishing(KDP)で著者が直接出版をするにあたって、一番悩むのが価格設定だと思います。

いくらなら買ってくれるのか?いくらだと敬遠されるのか?
私も試行錯誤の途中ですが、ひとつの結論が99円or250円です。

読んでもらうための99円


99円の理由それは、
読者は、そこにある文章が最後まで読めるものかわからないからです。

KDPで売ってる素人の本は、ホント玉石混合です。
紙の本の編集者の人に聞いたのですが、
「はじめて本を書く人が書いた文章の半分以上は、とても最後まで読めたもんじゃない」
とのこと。出版社が声をかけるレベルでもそうなのですから、パソコンとWordがあれば誰でも出版できるKDPならなおのこと。しかも、KDPには編集者どころか、誰一人客観的に原稿を読んでない、生まれたての文章がそのまま上がっていることも多々あります。

そんな状態のものを売るんですから、値段は安くするしかないでしょう。
一応、サンプルをダウンロードして序盤を無料で読むことはできますが、そんな面倒なことをする人も少ないでしょうし。

まずは、タイトルと表紙と説明文で魅力を感じてもらった人に「ま、99円ならいいか」と購入してもらうのが、価格に関してできる唯一のことではないでしょうか。(なお、無料キャンペーンについては他の記事に書きます)

ちなみに、100円ではなく99円なのは、どっちの値段でも作者に入ってくるお金は35円で一緒だからです。読者の方の負担を1円でも減らす、細かい設定です。なお、99円未満にはできないのがAmazonの仕様です。

収益を得るための250円

そして、250円の理由。
これを説明する前に、KDPの印税率の説明をする必要があります。

まず、KDPで電子書籍を売った時に、作者の所に入ってくる金額は売値の35%が基本です。
100円なら35円。200円なら70円。

これに加え、「Kindleセレクトに入る」「売値が250円から1200円の間」という条件を満たすと、70%という選択をすることができます。
250円なら175円。500円なら350円。

ただ一個だけ落とし穴があって、販売する時に(35%の時は免除される)販売手数料が徴収されます。
これは、ファイルの重さ1MBにつき1円徴収されます。私の本の場合、写真満載の新書2冊分くらいのページ数のため、9MBほどあり、9円徴収。250円で販売されてるので、私に入る額は175円-9円=166円ということになります。

この破壊力は非常に大きいです。
例えば、通常紙の本の印税は10%。1500円の本を売っても、著者に入る額は150円。つまり、KDPで250円の本を売る方が、出版社経由で紙の本を1500円で売るよりも収入は大きいのです。

KDPの金銭的に美味しいところは、この70%に尽きます。

250円となると、ゴミかどうかもわからない中で購入するにはちょっと躊躇する値段です。少なくとも「この人の書く文章なら、最後まで読む価値があるだろう」と思われるようなものでないと厳しいでしょう。

そこで、効果を発揮するのが、blogや99円本です。
blogで日頃から記事を書いていて、その文章が読者から評価されていれば「この人の文章はまともに読める。ちゅか、読みたい」という信頼を得ることが出来るでしょう。また、「日頃タダで読ましてもらっているから」というご祝儀買いもしてくれるかもしれません。

また、Amazonユーザーに対しては、まずは99円本で信頼を得てから、そのバージョンアップ版として250円の本を買ってもらうというのが有効だと思います。

私の場合、ずーっと前からblogは書き続けていて、読者の方もそれなりにたくさんいます。
また、キューバ編ブラジル編日本編などを99円で発行し、その読者の方が250円の中国+アメリカ+メキシコ編を買ってくれています。

キューバ編が1冊99円の価値があったと思ってくれた人にとっては、3冊分で250円は安いと感じてもらえたと思っています。(逆にキューバ編を「読む価値なし」と思った人にとっては、ボリューム3倍の中+ア+メ編は「量が増えて余計邪魔になったゴミ」に過ぎません)

ってことで、KDPで個人で本を売る人の価格設定は
「たくさんの人に読んでもらうための99円」
「収益を上げるための250円」
のどちらかが基本になると思うわけです。

なお、KDPで70%印税にするために「Kindleセレクトに入る」という条件がありますが、Kindleセレクトに入ると他の電子書籍サイトで売ることが出来ないという条件が付きます。マルチプラットフォーム展開を考える人は、この点も考慮に入れる必要があります。

次回、じゃあ、400円とか500円ってどーよ?というおはなしをします。

Amazonで個人が電子書籍を高値で売るのが難しい2つの理由、または私が99円or250円で売っている理由

で、もりぞおさんの99円本はコチラ

  

250円本はコチラ

です。これらの売上のデータから、最適な価格の研究を深めていこうと思っておりますので、ご興味がある方は是非。普通の旅行記や2008年の世界経済に興味がある方も、是非!

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で、有料コミュニティ「もりぞお海外研究所」では、こんな素敵な電子書籍の発行についての研究成果の生データをじゃんじゃん公開中。

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また、2/27(水)19:30から阿佐ヶ谷ロフトで行われるイベント、RePubに登壇して、本件についてさらに詳しく語るので、そちらもどーぞ。

 


著者近景

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Author:もりぞお / 森山たつを

海外就職研究家 兼
電子書籍個人出版研究家


人がやらないマニアックな領域を、日々自身が実験台になって研究しています。
詳しいプロフィールは"About もりぞお"をご覧ください。
取材、記事執筆、人生相談、なんでもうけたまわります。

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